FXの自動売買は、取引を自動で行ってくれることもあり、兼業トレーダーや主婦なども取引をサポートするツールとして人気があります。
ネットやSNSでは「勝率200%」など、高い収益を掲げるツールもありますが、中には詐欺商品もあるので注意が必要です。
そこで、今回はFXの自動売買ツールの詐欺について、手口や見分け方を紹介します。
FXの自動売買(EA)自体は危険なものではない
FXの自動売買そのものを「危険」と印象を抱く人もいますが、実際はFX取引の1つで詐欺ツールではありません。
自動売買ツールは、プログラムが事前に設定したルールに基づいて取引を自動化するもので、その中でもEAはMetaTraderと呼ばれるソフトウエアであるMT4やMT5で利用できるプログラムのことを指します。
FXの自動売買は100%利益を保証している商品ではないので、利益が出なくても詐欺にはあたらないということです。
通常の取引と同じように利益が出ることもあれば損失が発生することもあり、リスクと危険は別物ということを理解しておきましょう。
FXの自動売買EAの詐欺手口
FXの自動売買自体は詐欺ではありませんが、結果として詐欺の道具として使われているため「自動売買=危険」という印象がある人も多いでしょう。
実際に、FXの自動売買ツールの詐欺手口で使われる手段を紹介します。
高額な取引ツールの販売
FXの自動売買ツールの詐欺商品は、相場よりも高く売られることも少なくありません。
実際、ネットやSNSで知り合った人から高いパフォーマンスを発揮できるツールとして販売されることがあります。
自動売買の詐欺の場合、以下のような勧誘文句を使用することが多いです。
- 誰でも簡単に必ず利益を出せる
- リスクがないもしくはリスクの話をしない
- 期間限定・数量限定など、早く購入するよう勧めてくる
FXの自動売買ツールは取引を自動化するもので、必ず利益を出せるものではありません。
こういった宣伝文句で自動売買ツールを購入すると、入金後に連絡が取れなくなるなど、詐欺行為に合う可能性が高いので注意が必要です。
収益結果の改ざん
自動売買ツールを販売する場合、どれくらい利益が出るか提示されることが多いです。
しかし収益結果は簡単に改ざんできることもあり、収益結果だけで安全と判断するのは危険なので注意しましょう。
自動売買ツールは実際に利用しなければ結果の検証が難しいため、正しいかどうか検証する知識・能力がない場合、よく使われる自動売買ツール以外利用しないことをおすすめします。
クーリングオフや出金対応してもらえない
自動売買ツールもクーリングオフの対象になりますが、理由をつけて応じない場合も詐欺の可能性が高いです。
クーリングオフは消費者が商品・サービスを購入した場合、一定期間であれば理由関係なく解約できる制度のことです。
期間は商品によって数日~数週間の範囲で設定されており、自動売買ツールもクーリングオフの対象になります。
しかし、FXの自動売買ツール購入後の期間内にクーリングオフを申し出ても対応してもらえない場合は詐欺行為の可能性が高いでしょう。
また、お金を振り込んだ後、相手と連絡が取れない、いろんな理由や条件をつけて返金に応じない場合もあります。
とくに相手の所在があいまい、連絡先がメールや携帯電話の番号などの場合は危険が高いので、購入しないようにしましょう。
個人情報を盗む
FX売買ツールは個人情報を盗むことが目的で行われる詐欺行為も確認されています。
利益を受け取るための口座開設に誘導し、名前や口座情報、クレジットカードなどさまざまな個人情報を聞き出す手口です。
FXに興味があるということは、ある程度資産を持っている人も多く、リストとして個人情報の売買を狙うのが目的です。
入金しなければお金を失うことはないですが、個人情報が犯罪者の手に渡ると、詐欺商品の勧誘がくるなど今後トラブルに巻き込まれることもあります。
自動売買(EA)で実際に発生した詐欺事例
2021年には、海外FX業者で自動売買ツールによる詐欺事例が発生し、規模が大きかったこともあり実際にニュースにもなっています。
約700人・被害総額は約2億円にのぼったこの事件は、「FXの自動売買のモニターに当選した」と投資会社の代理店店員を名乗って電話で勧誘する手口が使われました。
「元本が減らず必ず儲かる」という文句で勧誘して入金させたあと、音信不通になり口座から出金できなくなるというものです。
犯行に使われたソフトは正規のFX取引でもよく使われるものだったことから、気づかずに詐欺の被害に合った人が多発した巧妙な詐欺事件です。
自動売買は自動で取引ができる便利なシステムな一方、必ず勝てるものではありません。
見ず知らずの業者やSNSで勧誘してくる業者は、詐欺と疑い利用しないようにしましょう。
FXの自動売買詐欺の見分け方
そもそも、FXの自動売買はリスクがゼロで必ず儲けられるというものではありません。
そのため「収益率が異常に高い」場合、自動売買ツール自体が詐欺の可能性が高いので注意が必要です。
最後に、FXの自動売買詐欺かどうか見分ける方法について見ていきましょう。
収益率が異常に高い
「必ず儲かる」「年利200%」など、収益率が異常に高い売買ツールは詐欺の可能性が高いので注意が必要です。
過去の実績は簡単に改ざんできるほか、SNSでも情報発信が可能なので、誰でもおいしい話をアピールすることができます。
自動売買ツールで必ず勝てるなら、知識や時間にも制限されないので魅力が多く感じてしまいますが、「そんなに良い商品をなぜ販売するのか」と疑問を持ち、相手の話を鵜呑みにしないようにしましょう。
詐欺被害の口コミ・評判がないか
自動売買ツールを購入する前に、商品や販売している人の口コミ・評判をネットやSNSで見ると詐欺かどうか見分けることが可能です。
すでに購入している人が「返金対応してもらえない」「連絡がつかなくなった」などの口コミを投稿している場合は購入しないことをおすすめします。
また、ネットやSNSで全く口コミ・評判がない場合も詐欺の可能性があります。
詐欺行為を行っている場合、悪い口コミはすぐに広がるため、同じ手口で詐欺をするためには毎回名前や商品名を変えていることも少なくありません。
金融庁に登録しているか
FXの自動売買ツールの販売は金融庁への登録や認可は必要ありませんが、中には金融庁の登録・認可を受けているツールも存在します。
そのため、金融庁に登録・認可を受けているツールを利用すれば詐欺被害に合う可能性が非常に低くなるのでおすすめです。
また、トラブルが発生した場合も金融庁に登録している業者であれば、クーリングオフなどの対応を取ってくれる可能性が高く、最悪の場合は金融庁に相談することで問題解決できるので安心と言えるでしょう。
まとめ
今回はFXの自動売買ツールの詐欺行為について、詐欺手口や詐欺業者の見分け方について解説しました。
FXの自動売買は取引を自動化できる便利なツールで、ツール自体は詐欺ではありません。
しかし、商品の実績化が見えづらいこともあり、詐欺行為に使われやすい点には注意が必要です。
どのような自動売買ツールであっても必ず勝てる確証はないので、「確実に利益が出る」などのうたい文句で勧誘しているツールは詐欺の可能性が高いです。
安心な売買ツールを見つけるためには、金融庁の登録・認可を受けているツールを利用することをおすすめします。